英 名 ： なし
学 名 ： Aster iinumae
別 名 ： なし
科 名 ： キク科
属 名 ： シオン属
種 類 ： 多年草
花 期 ： 夏〜秋
原産地 ： 日本
撮影場所：東京都港区･自然教育園
日本の固有種で、一般に野菊と呼ばれるものの一つです。
野菊の総称は、花が大きく彩りも多様なキク（Chrysanthemum morifolium）に対して、日本の山野に自生するキクの仲間を「野にある菊」と呼んだものです。
地下茎を伸ばして広がります。
茎は直立してよく分枝し、斜めに張り出します。
葉は長さ7〜8cm、幅3〜4cmの細長い楕円形で、質は薄く、羽状に浅裂から中裂し、互生します。
花に近いところでは苞状葉になります。
茎先に直径2〜3cmの頭花を1輪咲かせます。
舌状花は白色から淡青紫色の14〜16枚で、中央に黄色の筒状花が集まり半球状になります。
果実は長さ2〜3mmの倒卵形の痩果で、ごく短い冠毛があります。
和名は、ユズ（Citrus junos）に似た香りのするキクという意味ですが、ほとんど香りがありません。
若い葉を茹でて水に晒し、和え物、お浸し、汁の実等にすると美味であるとされています。
似た仲間と識別点は次のとおりです。
| 和名 | 茎 | 葉 | 舌状花・果実 | 分布 |
| ノコンギク Aster microcephalus var. ovatus | よく分枝し短毛が密生 | 鋸歯のある長楕円形で両面に短毛が密生しざらつく | 青紫色、淡紫色、白色。冠毛がとても長い | 本州〜九州 |
| ヨメナ Aster yomena | 広角に分枝し、花柄が長い | 下部の葉は鋸歯のある卵状長楕円形で3脈がやや目立つ | 淡青紫色で花柄が長い。冠毛はごく短い | 中部地方以西 |
| シロヨメナ Aster ageratoides var. ageratoides | 直立かやや斜上し、上部で分枝 | 長い楕円形で、表面には光沢があり、裏面には3個の葉脈が目立つ | 直径1.5〜2cmと小さい。間隔が不揃いの白い舌状花が8〜13枚 | 本州〜沖縄 |
| カントウヨメナ Aster yomena var. dentatus | 狭角に分枝 | 鋸歯のある卵状楕円形で、薄いが、ユウガギクより厚い | 白色から淡青紫色。冠毛はごくごく短い | 関東地方以北および近畿地方 |
| シラヤマギク Aster scaber | 短毛があってざらつく | 下部の葉には狭い翼のある長い柄がある。粗い鋸歯 | 白色で数が少ない | 全国 |
| オオユウガギク Aster robustus | よく分枝 | まばらな鋸歯のある長楕円状被針形で厚い | 直径3cm以上。淡青紫色。冠毛が不揃い | 愛知県以西 |
| ユウガギク Aster iinumae | よく分枝 | 細長い楕円形で、羽状に浅裂から中裂 | 白色からごく淡い青紫色。冠毛がごく短い | 近畿地方以北 |
属名の「Aster」は、ギリシャ語の「aster（星）」が語源です。星のような花の付き方という意味です。
種小名の「iinumae」は、江戸時代の本草学者（博物学者）で伊勢国亀山（現・三重県）出身の飯沼慾斎（いいぬま・よくさい：1783-1865）の名前に因みます。
撮影場所：横浜市緑区･四季の森公園
撮影場所：横浜市緑区･四季の森公園
撮影場所：横浜市緑区･四季の森公園
撮影場所：横浜市緑区･四季の森公園
撮影場所：横浜市緑区･四季の森公園