ハイビスカス

和  名 : ぶっそうげ(仏桑華:Hibiscus rosasinensisを指す)
英  名 : Hibiscus
学  名 : Hibiscus cv.(属の総称)
別  名 : なし
科  名 : アオイ科
属  名 : フヨウ属
花  期 : 夏
種  類 : 亜熱帯性常緑低木
原産地 : 園芸品種
撮影日:2004年03月10日
撮影場所:米国フロリダ州
Disney's Coronado Springs Resort
分類上でハイビスカスというと、アオイ科フヨウ属に分類されるすべての植物を指します。

この分類では、ムクゲ(Hibiscus syriacus),フヨウ(Hibiscus mutabilis),アメリカフヨウ(Hibiscus moscheutos)等もハイビスカスということになります。

園芸上はもっと限定し、20種ほどの野生種を掛け合わせて作られた園芸品種の総称です。

この定義では、ハイビスカスは作られたもので、完全な野生種は存在しないことになります。

ルーツとなっている野生種は大別してインド洋諸島原産種と、ハワイなど太平洋諸島原産種に分けられます。

これらをハワイの農業試験所で人の手によって掛け合されてできたのが、現在見られるハイビスカスのはじまりです。

原種には次のものがあります。(学名のH.はHibiscusの意味です)

インド洋諸島原産
原 種 名特  徴
ブッソウゲ(H. rosasinensis)原産地不明。花色は真っ赤で、花径は5〜20cmと個体差が大きい。
フウリンブッソウゲ
(H. schizopetalus)
東アフリカ・ザンジバル島原産。風鈴のように花が垂れ下がって咲く。花色は赤、ピンクと白の絞り。
リリフロールス(H. liliflorus)マダガスカル東方沖のマスカリン諸島原産。花弁が平開せず、ユリのような姿で咲く。花径は5cmで色は赤。
ゲネビー(H. genevii)マダガスカル東方沖のモーリシャス島原産。花径は15cmで、花色は白や淡いピンク。
スコッティー(H. scottii)イエメンのソコトラ島原産。花色は黄色で中心部分が赤。
コルムナリス(H.columnaris)マダガスカル東方沖のマスカリン諸島原産。咲きはじめは黄色で萎むとオレンジ色。
太平洋諸島原産
アーノッティアヌス
(H. arnottianus)
アメリカ・ハワイ州オアフ島原産。花色は白で芳香がある。最もよく利用された原種の1つ。
ワイメアエ(H. waimeae)アメリカ・ハワイ州カウアイ島原産。花姿、色ともアーノッティアヌスに似る。芳香はない。
ストーッキー(H. storckii)オセアニアのフィジー島原産。花色は白で、上向きに咲く。
コキオ(H. kokio)アメリカ・ハワイ州ハワイ諸島原産。花色は赤かオレンジ色。花の大きさはやや小振り。

園芸品種の系統は大別して次の3種に分類されます。

オールド・タイプ(在来系)古くからある系統で、花付きが良く、暑さや寒さにも強い。
ハワイアン・ハイビスカス大輪で様々な色彩をもち、最も鑑賞価値が高くて品種数が多い。
コーラルフウリンブッソウゲを元として改良された品種グループ。小振りの花が下向きに咲く。

ここでは、園芸上の分類によるハイビスカスについて記載します。

樹高1〜3mになる亜熱帯性常緑低木です。

葉は楕円形で先端は尖り、互生します。

掌状に裂けるものもあり、縁も鋸歯があるものとないものがあります。

花は直径5〜30cmの5弁花で、ラッパ状または杯状の鮮やかな赤や黄色の原色の大きな花が南国を思わせます。

花色は赤,白,ピンク,黄色,オレンジ色など多彩です。

一日花なので朝開いた花は、夜には閉じてしまいます。

雌しべが長く突き出し、柱頭は5裂します。この雌しべの花柱を多数の雄しべが筒状に合着して取り囲んでいます。

5裂の萼の外側を色のついた包葉がとりまいているため、萼が2重になっているように見えます。

果実は5室の豆果で、多数の種子が入っています。ただし、通常、不稔性で結実しないことが多いようです。

南国の真っ青な空をバックにした、大きくて真っ赤なハイビスカスは、何ともいえず美しいものです。

トロロアオイ(Abelmoschus manihot)は花は似ていますが、これはアオイ科オクラ属です。

和名は、「扶桑」という「山海経」(せんがいきょう:18巻からなる中国古代の地理書)に出てくる東海の島(日本のこと)にあるという神木からとって「扶桑花」になり、仏前に供える習慣があったので「仏桑花」になったそうです。

1614年に薩摩藩主島津家から徳川家康に献上された後、江戸時代から「仏桑花」という名で広く栽培されたそうです。

琉球には、東南アジア経由で古くから伝わっていたようです。

マレーシア(H. rosasinensis),スーダン(H. rosasinensis)の国花、アメリカ・ハワイ州の州花(H. brackenridgei)に指定されています。

属名の「Hibiscus」は、エジプトの美を司る女神「Hibis」とギリシャ語の「isko(似る)」が語源のようです。
撮影日:2010年01月05日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室
(品種名:サンタナ)
撮影日:2008年12月06日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室
(品種名:フラガール)
撮影日:2008年02月10日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室
(品種名:ルビーブラウン)
撮影日:2009年02月21日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室
(品種名:タイレーン)
撮影日:2003年08月30日
撮影場所:横浜市中区山下橋
撮影日:2006年12月02日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室
(品種名:クリスタルピンク)
撮影日:2008年12月06日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室
(品種名:フラガール)
撮影日:2008年12月06日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室
(品種名:ブライド)
撮影日:2010年01月05日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室
(品種名:サンタナ)
撮影日:2013年01月19日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室
(品種名:アーピオ)
撮影日:2005年01月23日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室
(品種名:コナ・プリンセス)
撮影日:2008年07月05日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室
(品種名:アニリー)
撮影日:2007年11月04日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室
(品種名:タオイエロー)
撮影日:2016年01月11日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室
(品種名:フィジー・アイランド)
撮影日:2004年02月15日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室
撮影日:2004年02月15日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室
撮影日:2006年02月19日
撮影場所:鎌倉市・大船フラワーセンター温室

Last Update : 16/12/25
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