英 名 ： Iris
学 名 ： Iris sanguinea
別 名 ： なし
科 名 ： アヤメ科
属 名 ： アヤメ属
種 類 ： 多年草
花 期 ： 晩春〜初夏
原産地 ： 日本，朝鮮半島，中国東北部
撮影場所：横浜市鶴見区･馬場花木園
葉は細い剣状線形で直立し、花茎の高さと同程度の長さをもち、中肋が隆起しません。
茎先に花径5〜8cmほどの青紫色の花を1〜3輪つけます。
内花被片と外花被片が3枚ずつあります。
外花被片の基部は黄色で、青紫色の網目があり、大きく下垂します。
内花被片は細く直立します。
外花被片の上に覆い被さるように突き出ているのが雌しべの一部である花柱です。
花柱も同色なので花弁の一部のようにも見えます。花柱は基部で結合していますが、先端から大きく3裂しているので3本に見えます。
3裂した花柱の下に雄しべがそれぞれ1本ずつ隠れています。
優しい雰囲気で日本的な美しさです。
果実は朔果です。
「いずれがアヤメかカキツバタ？」という言葉があるくらいに、アヤメ，カキツバタ（Iris laevigata）、それにハナショウブ（Iris ensata var. ensata）を加えて、ちょっと見ただけでは、区別が付きません。概略の違いは次のようです。
| ハナショウブ | アヤメ | カキツバタ | |
| 生育場所 | 湿原，水分の多い草原 | 排水のよい草原 | 湿原 |
| 開花時期 | 5月下旬〜6月 | 5月上中旬 | 5月中下旬 |
| 花の特徴 | 花弁の弁元に黄色い目型模様がある | 花弁の弁元に網目状の模様がある | 花弁の弁元に白い目型模様がある |
| 葉の特徴 | 葉の主脈が葉の中央表に一本、裏に二本はっきりと突出する | 花菖蒲に比べ細く、葉の主脈はほとんど目立たない | 花菖蒲よりやや幅広で、葉の主脈は目立たない |
アヤメは日本的だと思いますが、ドイツアヤメ（Iris germanica），オランダアヤメ（Iris hollandica）というのもあります。
和名は、外花被片の基部が黄色く、青紫色の綾目模様があることに由来します。
また、剣形の葉がきちんと並んで生える葉の様子から文目の名がついたともいわれています。
属名の「Iris」は、ギリシャ語で「虹」の意味です。
ギリシャ神話の主神ゼウス（Zeus）の妻ヘラ（Hera）の侍女イリス（Iris）は、ヘラから七色の首輪を与えられて「虹の女神」となりました。虹の女神の美しさと花の美しさを重ねた命名でしょう。
種小名の「sanguinea」は、「血のように赤い」という意味です。
撮影場所：広島市中区･縮景園
撮影場所：横浜市神奈川区･三ツ沢公園
撮影場所：横浜市鶴見区･馬場花木園