英 名 ： Japanese water iris
学 名 ： Iris ensata
別 名 ： なし
科 名 ： アヤメ科
属 名 ： アヤメ属
種 類 ： 常緑多年草
花 期 ： 初夏
原産地 ： 園芸品種
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
日本的な美しさをもつ梅雨時の代表的な花の一つです。
日本の中部地方以北に分布するノハナショウブ（Iris ensata var. spontanea）から観賞用に改良された園芸品種です。
江戸時代の初期から、江戸を中心に生け花や園芸が盛んになり、庶民層に及ぶ園芸ブームが起こり、日本各地や海外などから珍しい花が江戸に集まり、江戸は世界に類を見ない園芸都市となりました。
日本最初の園芸書である「花壇綱目」（水野元勝著）が1681年に発刊されています。
本種も江戸時代の中頃から本格的な改良が進み、数多くの品種が作出されました。
江戸系，肥後系，伊勢系の三系統の他に長井古種，大船系，アメリカ系等に分類されます。
葉は長さ50～100㎝、幅1～3㎝の剣状で、2列に互生します。
茎先に直径10～15cmで花弁が大きく開く花を2～3輪咲かせます。
花形は3弁，6弁，八重などがあり、外花披片は楕円形で下垂し、内花披片は狭長楕円形で直立しますが、形態は改良によって様々です。
花色は、紫色，藤色，紅紫色，桃色，黄色，白色などの他に絞りやぼかし、覆輪などと豊富です。
花被片のことを英（はなぶさ）といい、外花被片3枚が大きいものを3英、内花被片3枚も大きいものを6英といいます。
基本の3英の場合は外花被片が3枚、内花被片が3枚で、基部は合着し、筒状になります。
6英の場合は内花被片と外花被片が同じ大きさになります。
八重の場合はさらに雄しべが変化して多花被片となります。
外花被片の中央基部に黄色の斑紋があり、目又は蜜標（みつひょう）と呼ばれます。
花柱は3個の花柱枝に分裂し、先にずい片がつき、2片に分かれたり、先にぎざぎざの切れ込みがある場合もあります。
雄しべは3本で、花柱枝の下側に沿ってつき、葯は目の上側に位置します。
果実は長さ4～5cm、幅1.5～2cmの長楕円形の朔果で、先に短い嘴があり、6本の肋が明瞭にあり、熟すと先から1/3まで裂開します。
「いずれがアヤメかカキツバタ？」という言葉があるくらいに、アヤメ（Iris sanguinea），カキツバタ（Iris laevigata）、それに本種を加えて、ちょっと見ただけでは、区別が付きません。概略の違いは次のようです。
| ハナショウブ | アヤメ | カキツバタ | |
| 生育場所 | 湿原，水分の多い草原 | 排水のよい草原 | 湿原 |
| 開花時期 | 5月下旬 ～6月 |
5月上中旬 | 5月中下旬 |
| 花の特徴 | 花弁の弁元に黄色い目型模様がある | 花弁の弁元に網目状の模様がある | 花弁の弁元に白い目型模様がある |
| 葉の特徴 | 葉の主脈が葉の中央に表に一本、裏に二本はっきりと突出する | 花菖蒲に比べ細く、葉の主脈はほとんど目立たない | 花菖蒲よりやや幅広で、葉の主脈は目立たない |
和名は、葉が端午の節句に飾るサトイモ科のショウブ（菖蒲：Acorus calamus）に似ていて、花が美しいことに由来します。
三重県の県花に指定されています。
学名は、当時の植物分類学者がノハナショウブを発見していなかったため、園芸品種である本種が基本種、野生種であるノハナショウブが変種ということになっています。
属名の「Iris」は、ギリシャ語で「虹」の意味です。
ギリシャ神話の主神ゼウス（Zeus）の妻ヘラ（Hera）の侍女イリス（Iris）は、ヘラから七色の首輪を与えられて「虹の女神」となりました。虹の女神の美しさと花の美しさを重ねた命名でしょう。
種小名の「ensata」は、「剣形の」という意味です。
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：大淀）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：翳扇）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：沖の波）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：亀の井）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：業平）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：群山の雪）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：五色の珠）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：紅葉の滝）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：児化粧）
撮影場所：東京都台東区･
国立科学博物館
（品種名：出羽の里）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：神代の昔）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：日月）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：無双）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：鳴海絞）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：浦安の舞）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：沖津白波）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：加茂千歳）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：金鶏）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：大紫）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：万里の響）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：羽根扇）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：山路の露）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：潮来）
撮影場所：鎌倉市･大船ﾌﾗﾜｰｾﾝﾀｰ
（品種名：初紅）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：磯の波）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：雲衣装）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：霞の奥）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：愛知の輝）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：妙義の森）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：燭光錦）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：五三の宝）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：富沢）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：五湖の遊）
撮影場所：横浜市保土ヶ谷区･
横浜市児童遊園地
（品種名：葉山の雪）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：虎嘯）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：桃花仙）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：追風）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：長生殿）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：夏姿）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：煙夕空）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：五月晴）
撮影場所：東京都文京区･
東大小石川植物園
（品種名：江戸紫）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：十二単衣）
撮影場所：鎌倉市･大船ﾌﾗﾜｰｾﾝﾀｰ
（品種名：早苗）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：星月夜）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：三筋の糸）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：仙女の洞）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：誰待花）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：天女の冠）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：子持熊）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：秋の錦）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：堀切の夢）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：紅葉時雨）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：奥万里）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：月桂冠）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：松葉重）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：桂木の君）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：長良川）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：紅姫）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：葵形）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：織姫星）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：紅紅葉）
撮影場所：東京都葛飾区･堀切菖蒲園
（品種名：武蔵川）
撮影場所：横浜市南区･
横浜市こども植物園
（品種名：出羽娘）
撮影場所：横浜市南区･
横浜市こども植物園
（品種名：さざ波）
撮影場所：横浜市南区･
横浜市こども植物園
（品種名：舞小町）
撮影場所：横浜市南区･
横浜市こども植物園
（品種名：竜の髭）