英 名 ： Japanese witch-hazel
学 名 ： Hamamelis japonica
別 名 ： ネソ（綯麻，捻苧）
科 名 ： マンサク科
属 名 ： マンサク属
種 類 ： 落葉小高木
花 期 ： 晩冬〜初春
原産地 ： 日本
撮影場所：横浜市緑区･四季の森公園
日本の固有種で、北海道から九州までの、主として太平洋側に分布しています。
本州の日本海側や北海道南部には、葉の先端が丸いマルバマンサク（Hamamelis japonica var. obtusata）が分布しています。
鮮やかな黄色の花で春の訪れを告げます。
樹皮は灰色です。
葉は長さ5〜10cm、幅4〜7cmの菱形〜広卵形で互生し、縁には波状の粗い鋸歯があります。
葉の両面には星状毛がありますが、やがて成葉になると落ちてしまいます。これがアテツマンサク（Hamamelis japonica var. glauca）との相違点です。
秋に黄色から薄く赤味を帯びて黄葉します。
葉が展開する前に4枚の黄色の花弁をもつ花を2〜4個かたまって咲かせます。
4枚の黄色の花弁は、長さ10〜20mmの細長い錦糸玉子のようでユニークです。
4枚の萼片は暗紫色で、星状毛があり、黄色の花弁とのコントラストが綺麗です。
雄しべおよび仮雄しべが4本ずつあり、雌しべは2本の花柱をもちます。
果実は直径1cmほどの卵状球形の朔果で、黒く熟し、裂開します。
和名は、山で一番早く咲くことから「まず咲く」が転訛したという説と、たくさんの花を咲かせるので「豊年満作」からきたという説とがあります。
別名のネソは、粘り強く切れにくい樹皮を縄として利用したことに由来します。
世界遺産の岐阜県白川郷の合掌家屋は、構造材を何百本もの「綯麻（ねそ）」で締めこんで、構造を支えているそうです。
農家では、豊作を祈って庭木としてよく植栽されています。
黄色の美しい花で、ユニークな形の花弁をもち、日本の固有種で古くからあるはずですが、万葉集には本種を詠った歌が一首もありません。不思議です。
欧米でも人気があり、「witch-hazel：魔女の榛（ハシバミ）」と呼ばれ、ディズニー漫画のキャラクターの名前にもなっています。
葉にはハマメリスタンニン（Hamamelis tannin）を含有していて、乾燥させたものを生薬で満作葉（まんさくよう）といい、止血作用があり、痔疾の坐薬や湿疹などの軟膏に配合されます。
仲間に、同属のシナマンサク（Hamamelis mollis）、トキワマンサク属のトキワマンサク（Loropetalum chinense），ベニバナトキワマンサク（Loropetalum chinese var. rubra）等があります。
中国原産のシナマンサクは、本種より早く咲き始め、花や葉がより大きめです。
マンサク属は落葉ですが、トキワマンサク属は、名前のとおり常緑です。
マルバマンサクの変種で赤色の花をつけるアカバナマンサク（Hamamelis japonica var. obtusata f. incarnata）があります。
本種とシナマンサクの交雑種エレナ（Jelena）は、赤橙色の花を咲かせます。
属名の「Hamamelis」は、ギリシャ語の「hamos（似た）＋ melis（リンゴ）」が語源です。でも、リンゴ（Malus pumila）には似ていないですよね。別の属につけられた名が転用されたようです。
種小名の「japonica」は、「日本の」という意味です。
撮影場所：東京都調布市･神代植物公園
（品種名：アーノルド・プロミス：
マンサクとシナマンサクの種間交雑種）
撮影場所：横浜市緑区･四季の森公園
撮影場所：横浜市南区･
横浜市こども植物園
（アカバナマンサク）
撮影場所：鎌倉市･大船ﾌﾗﾜｰｾﾝﾀｰ
（品種名：エレナ：
マンサクとシナマンサクの種間交雑種）
撮影場所：横浜市金沢区･長浜公園
撮影場所：横浜市緑区･四季の森公園
撮影場所：横浜市中区･本牧山頂公園
撮影場所：横浜市中区･本牧山頂公園
撮影場所：横浜市緑区･四季の森公園
（アカバナマンサク）
撮影場所：鎌倉市･大船ﾌﾗﾜｰｾﾝﾀｰ
（品種名：エレナ：
マンサクとシナマンサクの種間交雑種）
撮影場所：東京都調布市･神代植物公園
（品種名：アーノルド・プロミス：
マンサクとシナマンサクの種間交雑種）
撮影場所：横浜市鶴見区･馬場花木園
（黄葉）
撮影場所：横浜市鶴見区･馬場花木園
（黄葉）
撮影場所：鎌倉市･大船ﾌﾗﾜｰｾﾝﾀｰ
（品種名：エレナ：
マンサクとシナマンサクの種間交雑種）
撮影場所：鎌倉市･大船ﾌﾗﾜｰｾﾝﾀｰ
（品種名：エレナ：
マンサクとシナマンサクの種間交雑種）
撮影場所：横浜市緑区･四季の森公園