英 名 ： Red passion flower
学 名 ： Passiflora coccinea
別 名 ： パッシフローラ・コクネシア
科 名 ： トケイソウ科
属 名 ： トケイソウ属
種 類 ： 常緑蔓性多年草
花 期 ： 春〜秋
原産地 ： ベネズエラ，ボリビア
撮影場所：名古屋市千種区･東山植物園
蔓性で他のものに絡まって伸びます。
茎や葉は赤褐色の毛に覆われます。
葉は長楕円形で、厚肉な革質で、粗い鋸歯あり、互生します。
葉の形は多様で、切れ込みのないものから、2〜5裂するものもあります。
茎先に近い葉腋に直径10cmほどで、萼片と花弁がそれぞれ5枚ずつあり、鮮やかな濃赤色で形もほぼ同じであるので10枚の花弁があるように見えます。（花弁は萼片よりも短い）
中央に糸状の副花冠が3層あり、外側の2層は長さ1cmほどで、濃赤色で基部は白色です。内側のものは白色で筒状になります。
中心部の底から柱状の花床が立ち上がり子房がつき、最上部に3裂した淡黄色の雌しべの花柱があり、まるで時計の時針・分針・秒針のようです。
雄しべは5本で、途中まで子房と合生し、途中から薄緑色の太い花糸が外側に張り出し、先端に回転する板状の葯がついています。
葯は開花直後に裂開し、花粉のある面を上に向けますが、その後回転して下を向いてしまいます。
花は一日花ですが、次々と開花します。
果実は長さ5cmほどの卵形の液果です。
和名は、紅色の花を咲かせるトケイソウ（Passiflora caerulea）という意味です。
トケイソウの名前は、花の形が時計の文字盤に見えることに因り、十字架を表しているとして、英名ではパッション（キリスト受難）フラワーといいます。
トケイソウ属には多くの仲間があり、普通の品種の他に果実を食用にする「クダモノトケイソウ（パッションフルーツ）」などの品種があります。
毎年6月10日は「時の記念日」ですが、ちょうどこの頃からトケイソウは花を開き始めます。関係はないようですが、不思議ですね。
仲間に、トケイソウ，クダモノトケイソウ（Passiflora edulis），オオナガミクダモノトケイソウ（Passiflora quadrangularis），ホザキトケイソウ（Passiflora racemosa）等があります。
属名の「Passiflora」は、ラテン語の「flor della passione」を訳した 「情熱の花」の意味で、磔の刑にされたキリストを雌しべの柱頭にたとえ、放射状にひろがる部分をキリストから出た後光にたとえたそうです。
種小名の「coccinea」は、「赤い」という意味で、花色を表します。
撮影場所：名古屋市千種区･東山植物園
撮影場所：佐世保市･
亜熱帯動植物園温室
撮影場所：名古屋市千種区･東山植物園