英 名 ： Eurya
学 名 ： Eurya japonica
別 名 ： なし
科 名 ： モッコク科
属 名 ： ヒサカキ属
種 類 ： 常緑小高木
花 期 ： 春（実期：晩秋〜冬）
原産地 ： 日本，東南アジア，インド
撮影場所：横浜市鶴見区･三ッ池公園
雌雄異株です。
よく分枝し、枝葉はよく繁ります。
樹皮は灰褐色で、浅く縦裂します。
葉は長さ3〜8cm、幅1.5〜3cmの長い卵形で、光沢があって質は厚く、縁には鋭い鋸歯があり、先が尖り、互生します。
葉腋に直径2.5〜6mmの小さな黄白色の5弁花を下向きにびっしりと咲かせます。
花色はときに淡紫色を帯びます。
花にはガスのような独特の臭気があります。
雄花は直径5〜6mmで、雄しべは12〜15本、葯は黄色で、雌しべは退化しています。
雌花は直径2.5〜4mmの先がやや開いたカップ状で、雄しべは退化し、雌しべが1本で、花柱は3裂します。
3月初めの頃は、枝に付いた小さな黒い蕾が、虫が付いたように見えて不気味です。
果実は直径4〜5mmの球形の液果で、黒く熟します。10月頃には黒紫色に熟しますが、真冬まで残っていることが多く、ほぼ一年間果実を付けています。つぶすと青インクのように染まります。
和名は、同科のサカキ（榊：Cleyera japonica）に似ていて小さいことから「姫榊」となり、それが転訛したものといわれています。
また、サカキに非ずで「非榊：ヒサカキ」という説もあります。
日本では古来から、神棚にはサカキの枝葉を供えるのが慣わしですが、関東ではサカキの代わりに本種を神棚に供えます。
用途は生垣、材は緻密で器具材、木灰は和紙の製造に用いられ、果実は染料にします。
関西では本種を「びしゃこ」と呼び、仏壇やお墓に供える花木としていますが、その生産量の80%が和歌山県です。
近縁種のハマヒサカキ（Eurya emarginata）は、海岸に生育し、花期が晩春から初冬で、葉先は尖りません。
サカキは高木で、花期は夏、葉が大きく全縁です。
属名の「Eurya」は、ギリシャ語の「eurys（広い）」が語源です。花弁や萼片の形に因みます。
種小名の「japonica」は、「日本の」という意味です。
撮影場所：鎌倉市･大船ﾌﾗﾜｰｾﾝﾀｰ
撮影場所：横浜市西区中央
撮影場所：横浜市神奈川区･三ツ沢公園
撮影場所：鎌倉市･大船ﾌﾗﾜｰｾﾝﾀｰ
（蕾）
撮影場所：東京都文京区･
東大小石川植物園
（雄花）
撮影場所：横浜市鶴見区･三ッ池公園
（雄花）
撮影場所：東京都大田区東六郷
（雌花）
撮影場所：東京都大田区東六郷
（果実）