英 名 ： Japanese boxwood
学 名 ： Buxus microphylla var. japonica
別 名 ： ホンツゲ（本黄楊，本柘植）
科 名 ： ツゲ科
属 名 ： ツゲ属
種 類 ： 常緑小高木
花 期 ： 春（実期：晩夏）
原産地 ： 日本
撮影場所：東京都大田区東六郷
日本の固有変種です。
よく分枝し、幹は直立せず、小枝には稜があります。
樹皮は灰白色から淡褐灰色で、古くなると割れ目が入ります。
葉は長さ1～3㎝、幅7～15㎜の倒卵形で対生し、革質で表面には光沢があり、縁は全縁でやや反り返ります。
枝先の葉腋に花弁のない直径8～10mmの小さな淡黄色の花を咲かせます。
真ん中に雌花が1個つき、周囲を数個の雄花が取り囲みます。
雌花には黄緑色の子房と舌状の花柱が3個あり、花弁はなく、萼片が6個あります。
雄花には退化した小さな雌しべの周囲に長さ6～7mmの4本の白い雄しべがあり、花弁はなく、萼片が4個あります。
果実は直径10mmほどの球形の朔果で、先端に3個の角状の花柱が残り、熟すと3裂開します。
和名は、細かな葉が次々に層を成すことから「継ぐ」が転訛したという説や、木目が丈夫なために「強木目木（つよきめぎ）」とされ、それが転訛したとする説等があります。
別名のホンツゲは、モチノキ科のイヌツゲ（Ilex crenata）に対して付けられた名前です。
本種の葉は対生ですが、イヌツゲは互生です。
成長はかなり遅く、幹の直径が10cmになるのに80年近くかかるとされます。このため材は緻密で木目が細かく、良質の材木となります。
材は黄色を帯び、日本で最も緻密かつ重厚で、櫛，印鑑，算盤，木箱，将棋の駒，琵琶のバチ等に利用されます。
材の主要な産地は、鹿児島県指宿市周辺と伊豆の御蔵島であり、前者「薩摩ツゲ」から作った櫛と、後者「御蔵ツゲ」から作った将棋の駒は特に品質が良いとされます。
葉にはアルカロイド（alkaloid）のブキシン（buxine）が含まれ有毒です。
庭木や街路樹として利用されます。
愛知県新城市の黄柳野ツゲ自生地は国の天然記念物に指定されています。
属名の「Buxus」は、ラテン語の「puxas（箱）」が語源です。材で小箱などを造ることに由来します。
種小名の「microphylla」は、「小さな葉の」という意味です。
変種名の「japonica」は、「日本の」という意味です。
撮影場所：東京都大田区東六郷
撮影場所：東京都大田区東六郷
撮影場所：東京都大田区東六郷
撮影場所：東京都大田区東六郷