英 名 ： なし
学 名 ： Clethra barbinervis
別 名 ： ハタツモリ（旗積もり，畑つ守）
科 名 ： リョウブ科
属 名 ： リョウブ属
種 類 ： 落葉小高木
花 期 ： 夏
原産地 ： 日本，朝鮮半島
撮影場所：横浜市鶴見区･馬場花木園
日本では1科1属1種の親戚縁者のいない寂しい存在です。
根は地表面直下に発達させ浅く、直根がなく、強風などで倒れ易いです。
樹皮は古くなると剥がれ落ち滑らかになり、茶褐色のまだら模様になります。
葉は長さ6〜15cm、幅3〜5cmの倒卵状長楕円形で、先端は尖り、質はやや厚く、縁には鋭い鋸歯があり、枝先に集まって互生します。
秋には鮮やかな紅色に紅葉し、冬には落葉します。
枝先に数本の長さ10〜20cmの総状花序を出し、根元の方から直径5〜6mmの白花を次々と咲かせます。
花弁は5枚で先端は凹んでいます。
雄しべは内側と外側に5本づつで計10本、葯の先は2裂し、雌しべは1本で柱頭は3裂します。
蜜が多いのか虫が多数来訪します。
果実は直径4〜5mmの扁球形の朔果で、褐色に熟します。
和名は、花序の形を表した「りょうび（竜尾）」が転訛したという説や、救荒食として葉の採取と貯蔵を命じた法令に由来するといった、いくつかの説があります。
古名ではハタツモリと呼ばれ、花の咲く景観を、百千万の旗が翻っているように見立てたもので、万葉集にも登場しています。
材は割れにくく、樹皮が美しいことから、床柱や器具材に利用されます。
新芽はあくぬきをすると食用になります。
若葉は戦国時代から食用にされ、令法飯と呼ばれて糅飯（かてめし：米の不足を補うための炊き込みご飯）にされたそうです。
紅葉が美しくて趣があるため、庭木としても植栽されてきました。
属名の「Clethra」は、ギリシャ語の「klethra（ハンノキ）」が語源です。葉の形がハンノキ属に似ていることに由来します。
種小名の「barbinervis」は、「脈に髭のある」という意味です。
撮影場所：横浜市鶴見区･馬場花木園
撮影場所：横浜市鶴見区･馬場花木園
撮影場所：横浜市鶴見区･馬場花木園
撮影場所：横浜市鶴見区･馬場花木園
撮影場所：横浜市鶴見区･馬場花木園
撮影場所：横浜市鶴見区･馬場花木園