英 名 ： なし
学 名 ： Paederia scandens
別 名 ： ヤイトバナ（灸花）
別 名 ： サオトメバナ（早乙女花）
別 名 ： ウマクワズ（馬食わず）
科 名 ： アカネ科
属 名 ： ヘクソカズラ属
種 類 ： 蔓性多年草
花 期 ： 夏（実期：秋）
原産地 ： 日本，朝鮮半島，中国
撮影場所：横浜市神奈川区･三ツ沢公園
茎は長く伸びて蔓になり、下部では直径1〜3cmで木質化し、左巻きで他のもに絡みます。
葉は長さ4〜10cm、幅1〜7cmの楕円形または長卵形で、全縁で先が尖り、対生します。
葉を揉むと独特の臭気があります。
葉腋から短い集散花序を出し、長さ10mm、直径4〜6mmほどの鐘形で灰白色の花を咲かせます。
白い花冠は5裂し、筒の内側は赤紫色でなんとなく毛むくじゃらです。
花糸が短い5本の雄しべは花冠の内部につき、長い紐状の花柱は2本で、基部で合着します。
果実は直径5〜6mmの球形の核果で、光沢があり、黄褐色に熟します。
和名は、全草が嫌な臭いを放つ蔓性の植物という意味です。
万葉のころには「クソカズラ」と呼ばれ、最高の悪臭を漂わせるような印象を表すために、これに屁（へ）の字をつけた現在の和名は、江戸時代には成立していたようです。
万葉集の中に一首のみ詠まれています。
可愛い花だと思いますが、気の毒な命名ですね。
別名のヤイトバナは、花の真ん中がお灸の跡に似ていることに因ります。
別名のサオトメバナは、水に落ちた花の姿を早乙女（田植えをする少女）が田植えをしている姿に例えたものです。
別名のウマクワズは、悪臭があるため馬も食べないという意味です。
組織が傷つくと中の成分が酵素のはたらきで分解されて揮発性の成分（メチルメルカプタン：Methyl Mercaptane）になり、それが特有の臭気を放つそうです。
悪臭により虫や鳥から自分を守る防衛手段なのでしょう。
漢方では根や全草を天日乾燥したものを生薬名「女青（じょせい）」といい、下痢止めや利尿などに効能があるとしています。
生の果実を潰したものは、民間薬として古来から虫刺されや霜焼けの薬として使われてきました。
属名の「Paederia」は、ラテン語の「paidor（悪臭）」が語源です。全草に悪臭があることに由来します。
種小名の「scandens」は、「よじ登る性質の」という意味です。
撮影場所：横浜市神奈川区･三ツ沢公園
撮影場所：横浜市神奈川区･三ツ沢公園
撮影場所：横浜市神奈川区･三ツ沢公園
撮影場所：横浜市神奈川区･三ツ沢公園
撮影場所：横浜市神奈川区･三ツ沢公園
撮影場所：鎌倉市･大船ﾌﾗﾜｰｾﾝﾀｰ
撮影場所：横浜市神奈川区･三ツ沢公園
撮影場所：横浜市神奈川区山内町
撮影場所：横浜市中区･本牧市民公園